2020.05.28 COLUMN

人気ファッション系Youtuberに聞く!完売必至のオンラインショップの秘訣

by 深地雅也

こんにちは、深地です。

若者世代にとって馴染みが深いYouTube。筆者くらいのおじさんならあまり見る機会も無いのですが、先日とあるファッション系YouTuberに会ってお話を聞いたところ、

「メディアの使い方がめちゃくちゃ上手いやないか…。」

と感銘を受けたので早速記事にしてみました。

SYU AI

「しゅうあい」というカップルYouTuberで、主にプチプラ系ブランドのレビューを投稿しているインフルエンサーをご存知でしょうか?非常に高いエンゲージメントを誇るカップルなのですが、どういった経緯で二人が影響力を伸ばしたのか?のお話を聞いてみました。とにかくひたむきな姿勢が伝わってきて頭が下がる思いです…。

 

しゅうあいの始まりはInstagramから

「しゅうあい」のスタートはInstagramから。まずは彼氏のしゅう君が2016年にInstagramをやり出した事が全ての始まりです。

@___s___y___u___

スタート時からプチプラ系のコーデ中心に投稿していたようですが、フォロワーが1万人に到達するまで2年かかったそうです。継続って大事。その後、ご自身で服の仕入れも始めたようで、オンラインでセレクトショップ運営をスタート。

@avanzar_webstore_

当時からモデルは自分、買い付けも自分、梱包も配送ももちろん自分、と全部一人でこなしていたようです。(今は少し規模感が出てきたおかげで配送は外注出来ている模様。)今では彼女もインフルエンサーとして活躍しているのですが、Instagramをスタートしたのは何と1年ほど前なのに、

@ai_2714

あっという間に6万フォロワー…。やはり女性の方がインスタは強そう。しかし彼女もソーシャル運用の才能があったんではないかと…。

 

月4日・計8時間の販売だけで成り立つセレクトショップの実態とは?

そんな「しゅうあい」が運営するセレクトショップ ですが、販売期間はたったの月4日程度。これ、別にサボっている訳ではなくて、商品入荷を週1回に設定していて、それがたったの1日で完売してしまうからだそうです。厳密に言うと1回の入荷が2時間程度で売り切れてしまうので販売期間は1ヶ月で2時間×4=8時間の営業時間ですね。どんだけ効率いいねん…。とは言え、ここに至るまでの苦労が凄い。

実はさらっと「商品を仕入れ」と書いていますが、そう簡単に小ロットで製造を請け負ってくれる商社は無いのです。なので販売に至るまでに何社も断られている、という経緯があります。しかし幸か不幸か、その行動力から生まれた泥臭いストーリーが彼らのショップのファンを形成しています。現在も商品の買い付けのこだわりから物の良さの説明に至るまで、ひたむきに顧客と向き合い丁寧に実行する事で高いエンゲージメントを誇っているのです。一言で言うと「熱量」が違うのです。

展開する型数は月6型程度。サイズ展開とカラーバリエーション含めて400〜500点。これを1週間ごとで売り切ります。準備は買い付けの段階からストーリーズで随時アップ。販売する1週間前から数日かけて商品説明を実施。「絶対に売り切れる数しか在庫は積まない」というポリシーから察するに、既にブランドがやっている流通コントロールまで自然と身につけている様子。末恐ろしい若者ですな…。

当初はキャンセル率40%と、とにかくキャンセルが多い事に悩まされていたようですが、彼のひたむきさに感化された顧客が多いせいか今ではほとんどキャンセルも無くなったそうです。顧客と真摯に向き合う事が一番のCRM(カスタマーリレーションシップマネージメント)だと気付かされますね。

インスタグラマーからYouTuberへ

今ではチャンネル登録が3万人を超えるYouTuberに成長した「しゅうあい」ですが、これも彼らなりの秘訣があったようです。既にインスタグラムで作り込んでいるコンテンツを加工してtiktokに定期的に投下。tiktokはアカウント作成初期、どんなユーザーでも誰かのオススメには出てくる仕様なのでバズが起きやすいのです。自アカウントにInstagramとYouTubeへのリンクを貼り付けておけば、高確率で送客が可能になるといった手法。コンテンツの使い回しなので効率的に集客ができるようですね。

当初、YouTubeの登録者数を増やす為に、YouTube内での検索を強化していたようなのですが中々効果が生まれず、別のソーシャルから集客を試してみたところ、tiktokとの親和性が非常に高かったとの事です。そこから新規流入が促進され、ユーザーのおすすめにも上がってきやすくなり、登録者数が増えていくといった好循環を生み出したようです。

高いエンゲージメントの秘密

先述しましたように、彼らには今思うと「たまたまストーリー性があった」のですが、そのストーリーを強化する施策はいくつか実行しています。それが手書きの「サンキューレター」です。アパレルブランドでも初めてお買い上げ頂いたお客に送る事が多いこのサンキューレターですが、憧れのインフルエンサーから手書きの手紙をもらったら顧客の満足度は爆上げです。そして、そのお手紙をお客さんが自身のストーリーズにアップ。

エンゲージメントが上がってくると、「しゅうあい」がカップルであげた写真の場所はファンが聖地巡礼し、またそれを二人のメンション付きでInstagramに投稿されます。こうやってUGCが生まれていくのですね…。その逆に、「やってはいけない事」にも細心の注意をはらっているのだとか。それが下記2点です。

 

・商売臭は強くしない

Instagramのショップナウ機能は使わない。企業案件は受けない。フィードでメンション付き投稿はしない。などです。これらは自分たちの信用を失う恐れがあるものであったり、求められていない情報だから、という理由ですね。顧客視点で必要無い情報はあげないのが方針で、常にギブの精神が宿っているようです。ストーリーズを見に来るのは濃いファンなので、ここでは自分が着用しているブランドや自分たちの商品を紹介する事はあるようです。

・自分たちのイメージに合わない事はしない

バズりやすいコンテンツだとわかっていても、自分たちに合わない事はしない。例えばYouTubeの若者向け人気コンテンツの一つに「下世話な恋愛ネタ」がありますが、それは自分たちのイメージから外れているので絶対にしないとの事。何をやるかよりも「やらない事」を決める方が重要度が高そうですね。


惜しげもなくご本人が色々と教えてくれましたが、流石どこでもギブの精神が強い。彼らのショップはオンラインだけで今年度、年商5000万円程度売れそうな見込みらしいのですが、ほぼ個人でやっていて収益もしっかり出しています。本来、D2Cってこういう事例を指すのではないでしょうか。小資本だからオンライン専業でスタートし、小ロットで売り切り、販管費が抑えれるから原価率が低くても収益性が高い。莫大な資金をVCから調達して赤字を垂れ流すブランドに彼らの努力を少しでも知ってほしいものです。若者がブランドを持ちたい!という要望は相変わらず多いのですが、メディアで報じられているような事例より、小規模ながら上手く立ち回っている「しゅうあい」のようなケースをお手本にしてみてはいかがでしょうか?

TAG

RELATED ARTICLES