2020.03.11 INTERVIEW

「捨てないファッション」の聖地をつくる。廃棄在庫を救うクラファンスタート!

by STYLE it.編集部

服の二次流通ソリューションを提供している【株式会社MODALAVA】が、「捨てないファッション」の聖地となるビルをオープンするためのクラウドファンディングをスタートしました。

もうファッションを捨てない!年間40億着が作られ13億着が捨てられていく新品の廃棄在庫はもちろん、クローゼットのスタメンではなくなったけど未だ大好きなお洋服や、理念に共感して買ったけど着ることが出来なくなってしまったブランドのお洋服などを、捨てずに経済活動を回すファッション事業を企画発信します!

・年間13億着が捨てられている現状

・不透明な二次流通マーケット

・エシカルやサスティナブルがお金にならない 

など、ファッション業界の課題を解決すべく「捨てないファッション」を掲げたビルをオープンします。消費者の「服を捨てたくない」という思い、業界内部の「業界を盛り上げたい」という思いを繋げ、経済としても回る仕組みをつくっていきたいという、MODALAVAを率いるお2人にお話を伺ってきました。

(L)桂茉利子さん:LAの大学卒業後ITコンサル会社に就職。約10年在籍し、グローバルデータベースの連携やコンビニの店頭端末開発 などを担当。現・CEO
(R)亀甲かりんさん:アパレル企業に約10年勤務。店舗内のVMDから、商品開発・EC運用など、さまざまな業務を担当。現・CBO

 

ファッション業界の悪循環

─ 年間40億着が作られ13億着が捨てられているとのことですが、なぜそのような状況になってしまっているのでしょうか?

桂さん(以下敬称略):そもそも企業は服を作りすぎていて、消費者は捨てられない服を溜めすぎているんですよね。作りすぎだし、溜まるし、捨てすぎだし、というそれぞれの苦しさがファッション業界全体に出ているのだと思います。

こうした流れになってしまうのには他にも原因があって。日本は廃棄大国やソーシャルグッド(※1)後進国と言われているのですが、ヨーロッパには基本的に服を捨てるという文化がなく、古着の回収BOXがいろんなところにあるんですよ。なので、留学に行った学生は日本が遅れていることに気づく。そうすると、教養がある子はファッション業界に就職することを辞めてしまい、一向にファッション業界が良くならないという悪循環が生まれています。

─ ファッション教育の座談会でも、教養のある人が少ないという話が上がりました。そこが課題なんですね。

亀甲さん(以下敬称略):意識をする人ほど離れて、意識をしていない人が残るので結局内部の構造が変わらないんですよね。

:弊社が行なっているソーシャルグッドネイティブというスピンオフプロジェクトには、ソーシャルグッド関連の活動をしている大学生が50人程度関わってくれているんですけど、みんなファッションが好きなんですよ。教養も行動力もあって、語学力も高く、情報のシェアも積極的に行なっている。そういう子たちが外から業界を変えようとコンサルに行っても、忙しくて自分のやりたいことができなかったり儲からないことはやらせてもらえないという負のスパイラル…。この子たちがファッション業界の人材になるだけでも業界は変わると思うんですよ。

旧態依然なファッション教育に必要なことは?講師3名による座談会(前編)

二次流通に対する概念と構造を変えたい

─ 二次流通を盛り上げようとしていく中で、どんな社会にしたいですか?

:ときめく服だということは前提として、いろんな人に使われる服はいいものだよねという概念がある社会にしたいですね。そうすると、服を作る側も、1人の人に対して「〜〜円で売りましょう」ではなく、「いろんな人に受け渡されて長持ちするいい服を作りましょう」となって、ちゃんと経済的にも回る。

─ 概念を変える必要があるんですね。

亀甲:今ってマイボトルを持ってることがかっこよくなってきているじゃないですか。逆に、プラスティックのペットボトルを持ってる方が恥ずかしいとか。それと同じような感じで、地球や社会にいいチョイスをした方がかっこいいって思えるようになるといいなって思います。そうすれば消費者のニーズに応えようとするメーカーが変わっていくことで廃棄も自然と減っていくかもしれない。

:あと、二次流通は闇マーケット的扱いで、一次流通側にお金が戻っていかないので、還元できる仕組みづくりが必要ですね。物に対してお金で返すこともできるし、インサイトやデータで返してあげたり。一次流通の人にメリットがある仕組みにしないと、いっぱい作っていっぱい売ろうがなくならないので。

亀甲:そうだよね、そこだよね。

:たとえばD2Cブランドさんなどには、「体型が変わって着れなくなった」「就職したからあまり着なくなった」というファンの声に対して、柔軟に買取をしてあげてほしいんです。妊娠や出産などによる体型の変化が理由で着られなくなった服をクローゼットに置いて、見る度悲しくなるよりも、買取をしてもらうことでブランドのこともより好きになるし、満足度も高くなると思うんです。
買い取った服は中古ということで値下げをする理由があるので、セールの代わりにもなる。シームレスにやろうと思うと古物商が必要になってしまうので、弊社が委託として間に入ることで、ブランド側もやりやすい仕組みができるんじゃないかと思います。

亀甲:自分のブランドのアイテムを買い取ってリメイクした物を、カプセルコレクションのように出してるブランドもあるもんね。一次流通の人も、買い取ってまた作ってという仕組みができるといいよね。

地球にいいことはお金にならない?

─ クラウドファンディングのページにも書いてありましたが、エシカルがお金にならないと言われている理由を教えてください。

:慈善事業のように思われていたり、「地球にいいことしてるんだからお金取らないで」と思う方が多いからですかね。NPOは助成金や税金で動かしているので、慈善事業として成り立っているんですけど、株式会社ではそうはいかなくて。エシカル系のイベントに登壇するときも、お金が出ないことが多いですし…。

亀甲:以前、服の交換会を行なったんですけど、参加する側からすると「自分も提供しているんだから参加費とらなくてもいいのでは」という意見があって。でも、そこには場所を借りたり運営側の人件費とか、お金はかかっているんですよ。交換・循環などあるものを使うことにお金はかからないと思ってしまうのかなって。お金をかけられないから、お金が生まれないんだと思います。

─ お金かけないとできないことってありますよね。その辺をどう変えていきたいとかありますか?

:エシカルだから安くやるとかタダでやるは論外として、今まで地球のリソースを消耗させながら消費してきたものを、消耗せずにちゃんとした消費ができるようにしたいし、そういった意識はすごく高まってきていると思っています。

リスクは大きい。それでも絶対に成功させたい

─ なぜ、茅場町を捨てないファッションの聖地として選んだのですか?

:ファッションをやっている人というと疎外されるというか、特別視されがちなんですけど、ちゃんと経済として回っていて、且つファッションをやっている私たちが経済の中心地である茅場町にいることがまず1つ大事なのかなと。

─ ビル探しは大変でした?

:服を置くための倉庫を探してたときに、たまたまこのビル一棟が空いていることを知りました。築50年で、土地の形状も特徴的な物件で、不動産屋さんもどうしようか迷っていたところらしく、「ビル一等借りるので好きにやらせてください」と打診しました。すごくタイミングがよかったですね。

─ 元々一棟借りようと思ってたわけではない?

:3,4階の倉庫部分だけ借りようと思ってたんですけど、せっかくなので決めました。

亀甲:私もびっくりしました。かなり思い切った決断だったので「まじ?」みたいな(笑)

─ 今回のクラウドファンディングに込めた思いを教えてください。

:達成を200万円にしているので、まあまあハードルは高いんですけど、今ショールーミング化して、予算をそこまでかけずにいい場所で小さくやりながら、デジタルを活用して回していきましょうという流れがあるので、その拠点として活用できたらいいなって思っています。
私たちがクラファンを成功させることができたら、捨てないファッションのビルという認知も増えるし、イベントを開催してくれる方々のメリットにもなるので、いろんな意味で使命感を感じているし、絶対に成功させようと思っています。

─ 不安とかはありませんでした?

:敷金の請求書をみるたびに胃が痛い…(笑)

亀甲:オープンさせることができたとしても維持の方が大変…。でも、共感して協力してくれる人がいるということは肌で感じていたと思うので、踏み切ったんだと思います。

:“捨てない”というキーワードからはファッション業界全体逃れられないので、将来性はあります。それに、捨てながらサスティナブルな商材売っても信用できないと思うので、捨てないブランドをこのビルから発信することに意味があると思います。

─ クラファン終了後、どんな雰囲気のビルにしたいですか?

:過度にほっこりはさせたくない。あくまでもファッションなので、ふさわしい形にはしたいですね。何も知らない人が見たときに、ファッションとして美しい場所であることが1番大事かな。

亀甲:そうだね、オシャレであることが大事。そうでないとオシャレな人がこないし、意味がない。

:捨てないにフォーカスしすぎてエシカル系のイベントばかり開催するのも違うと思ってて。捨てないと言いながらもちゃんとライフスタイルに寄り添えたり、ちゃんとオシャレでいれたり、ときめきを大事にしたり、を形にしたいですね。

クラウドファンディングページ

 

※1:地球環境や地域コミュニティなどの「社会」に対して良いインパクトを与える活動や製品・サービスを通じて社会貢献活動促進する取り組みのこと


話を聞いていく中で、業界が抱える課題の大きさに気づくと同時に「誰かがやらないと変わらない、それなら私たちがやる」というMODALAVAの強い使命感を感じ、素直に応援したい、力になりたいと思いました。少しでも気になった方はクラウドファンディングのページもご覧になってください。

お2人がおすすめするリターンは、「会場を借りられる権利」だそう。若干高額にはなるものの、イベントスペースを借りると考えるととってもお得。壁に名前を書ける権利は仲間感が出ておすすめだそう。また、今後サスティナブルと言わなくてもデザインだけで欲しくなるアイテムをリターンの中に追加するそうなので、要チェック。

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