2020.02.12 COLUMN

Netflixオリジナル・NEXT IN FASHIONに学ぶコンテンツマーケティングの真髄

by 深地雅也

こんにちは、深地です。

普段テレビを全く見ない筆者ですが、ファッション関連の動画であれば勉強がてら積極的に見るようにしています。

 

見るだけでファッション業界がわかる!おすすめのドキュメンタリー映画5選

以前、ファッションの勉強になる映画をピックアップしましたが【Netflix(ネットフリックス)】のドラマでも、ファッション関連のものがちらほら散見されます。そして先日、ちょうどNetflixにてリアリティファッション専門番組がスタートしていたので早速見ることにしました。

ネットフリックスのファッション番組「ネクスト・イン・ファッション」が1月29日に配信開始

趣旨としては、参加デザイナーにテーマが与えられ、応募者がそれに沿った作品を制作。全10回で、毎回参加者の誰かが脱落していき、残った人間が勝者になります。優勝者には25万ドルの賞金と、ラグジュアリーECの【NET-A-PORTER(ネッタポルテ)】での販売という特典が与えられます。

ラグジュアリーECで世界最大規模を誇るネッタポルテで販売となると、デザイナーにとっては大きなチャンスです。しかし、それより何より注目すべきは、この映像作品自体がネッタポルテの優れたコンテンツになっているところです。

 

参加メンバーが凄い!

ネッタポルテで販売するくらいなので、当然審査員の顔ぶれは豪華。

司会が【ALEXACHUNG(アレクサ・チャン)】と【tanfrance(タン・フランス)】という時点でもう非常に豪華なのですが、レギュラーの審査員としてスタイリストのエリザベス・スチュワート。

それ以外にも毎回特別審査員が呼ばれており、Instagramのファッション・パートナーシップス部門ディレクター【Eva Chen(エヴァ・チェン)】や元ヴィクシーエンジェルの【Adriana Lima(アドリアナ・リマ)】デザイナーの【Christopher Kane(クリストファー・ケイン)】【Public School(パブリックスクール)】【TOMMY HILFIGER(トミー・フィルフィガー)】と名前が売れたメンバーばかりで、ファッション業界人なら審査員が誰なのかだけでテンションが上がってしまいます。審査が本気すぎて、デザイナーの心へし折るくらいのダメ出ししてますが…。

応募者も有名なコレクションブランドで勤務実績のある人やストリートウェアの現役デザイナーなど本気のメンバーばかり。一番驚いたのは、H&Mとコラボした中国人デザイナーである【Angel Chen(エンジェル・チェン)】の参加でしょうか。

H&M」が中国人デザイナーと初コラボ 中国やシンガポール、カナダなどで発売

H&M×エンジェル・チェンのコレクションは東南アジアのみで販売されているので、日本では馴染みがあまり無いかもしれませんが、ファッション業界人は度肝を抜かれたのではないでしょうか。本気度がすごい。

 

連動してネッタポルテのコンテンツになっている

NETFLIXS NEXT IN FASHION – EVERYTHING YOU NEED TO KNOW

EC上のコンテンツマーケティングに定評のあるネッタポルテですが、既に記事がサイト内にあがっていますね。(優勝者が出てしまってますので動画をまだ見ていない方は見ない方がいいかもしれません。)このページ、まるでこれから販売されるブランドのメイキングを見ているみたいです。

YoutubeInstagramでも【Next In Fashion(ネクストインファッション)】の内容は拡散されており、一つの協力なコンテンツがソーシャルを通じて形を変えて伝えられています。審査員や参加メンバー自体が影響力を持った人たちなので、そこからの拡散も見られますね。様々なチャネルを通してブランドが販売されるまでのストーリーを閲覧する事が可能になっているのです。そもそもNetflixの有料会員が1億6700万人もいるので番組が放映された時点で凄まじい拡散力ではあるのですが…。

 

インキュベーション的なツールとして活用可能

プラットフォーマーの課題として、毎回あがるのは「差別化要素」。既存のブランドをセレクトするだけであれば、究極は他のショップでも購入する事が可能です。ここにしか無い価値を創出すべく、PBを開発するケースもあれば、ブランドの限定カプセルコレクションを販売するケースもあります。今回の場合、新進気鋭のデザイナーを起用してインキュベーション的にブランドを販売するという独自性、そしてそこに至るまでのストーリーを既にネッタポルテは有しています。デザイナーにとっても知名度が大幅に上がるチャンスであり、プラットフォーマーは独自性を担保できる、双方にとって良いコンテンツではないでしょうか。しかもシーズンごとに製品とコンテンツが生み出されるという仕様。完璧すぎる…。

 

過去、動画コンテンツを作って商品を売ろうとしたケースはいくつも市場で散見されました。Amazonや伊勢丹のように失敗した取り組みもあり、動画コンテンツを作ったからと言って成功する訳ではありません。ネクストインファッションは番組を見るだけでも成立するくらい楽しめる内容ですし、そこから自然と商品への導線が引かれています。何より企画力が素晴らしく、コンテンツがチャネルごとに様々な形で拡散されています。有しているリソースは「権威」と「資金力」。足らなかったものは「独自性」。その課題と環境に合わせ、コンテンツ一つで上手く解決の方向に持っていったお手本のような事例ではないでしょうか。

TAG

RELATED ARTICLES