2020.01.15 COLUMN

今更聞けないファッション業界のルール:「FC・ライセンスって何?」

by 深地雅也

こんにちは、深地です。

昨年末からファッション業界で特に話題になっているのが「ワークマン」ではないでしょうか。

低価格商材ですが機能性も優れている上に、早い段階でのブロガーの起用、800店舗を超える出店数、ワークマンプラス出店に伴う長蛇の列などなど。とにかく今、最も勢いがあり注目されているブランドと言っても良いでしょう。そんな好調なワークマンですが、そのビジネスモデルを支えているのが「FC(フランチャイズ)加盟店」。

FCと言えば日常生活でもよく耳にする用語ですが、ファッション業界で使われる場合どのような内容なのでしょうか。事例を交えていくつか見ていきたいと思います。

 

FC(フランチャイズ)方式とは?

すごくざっくり言いますと、ブランド側がビジネスを運営する全てのノウハウを個人や企業に提供し、その見返りとしてロイヤリティを徴収するといったモデルです。コンビニや郊外型レストラン、ファストフード店などによく見られる流通方式ですね。アパレルでは一部の大手でもこの手法をとっていますね。あのユニクロですら、全国に10店舗前後はFC店があるようです。(ユニクロ出身者に限られるようですが。)中にはブランドが事業者に販売のみを委託する「販売代行」といった業態も存在しますが、ワークマンの場合は仕入れから販売までを請け負うといった形になります。

アパレルでは販売代行の方が事例が多いので、こちらも総称してFCと言われる事があります。

余談ですが、ワークマンの小売店舗は848店舗中795店舗(全体の93.8%)がFC加盟店であり、小売のほとんどをFCに依存しているという珍しい流通の形を取っています。

 

FC(フランチャイズ)のメリット・デメリット

ではワークマンでは何故このような「FCに依存する形」をとっているのでしょうか。それは加盟店の条件や契約内容を確認すると理由が見えてきます。

契約内容を見ますと、事業者側とワークマン双方の負担する費用が明らかになっています。このシミュレーションですと、月商1000万円の店舗の取り分は238万円(加盟店報酬140万円+その他諸経費98万円)になります。つまり販管費率が24%程度。このように、売上に対してかかる販管費をコントロールしやすく、売上が下がったとしてもブランド側はリスクが小さくなります。在庫はFC加盟店側の買取りのようなので、ブランド側は在庫リスクも大幅に軽減できますね。ちなみに販管費率が24%というのはアパレル業界ではめちゃくちゃ低い水準です。ユニクロで40%弱、一般的なアパレルは50%弱くらいあってもおかしくありません。唯一、ワークマンと同水準なのはファッション センターしまむらくらいでしょうか。

逆に売上が伸びれば伸びる程、加盟店に支払う金額は大きくなりますので、これがデメリットになります。ワークマンの条件では、この報酬の設定が非常に低いのでデメリットすら軽減されている印象がありますが。

 

FC(フランチャイズ)と間違いやすいライセンス


Keagan Henman

FCと混同しやすいのが「ライセンス」と呼ばれる流通方式。こちらは既に確立されているキャラクターやブランドを第三者の企業に与えることで、売上に対してロイヤリティを徴収するビジネスモデルです。ファッション業界のライセンスで有名なのは、やはりバーバリーでしょうか。こちらもざっくり説明しておきますと、三陽商会というアパレル企業が、バーバリー本体からブランドのロゴや柄の使用権を与えられ商品を販売していました。(商品企画自体は三陽商会が担います。)それが「バーバリーブルーレーベル」と「バーバリーブラックレーベル」になります。2015年にバーバリーという冠を使えなくなった三陽商会はその後、会社全体の売上が半減してしまい、大打撃を受けたという経緯があります。これがメディアで「バーバリーロス」「バーバリーショック」と呼ばれているものですね。

 

実は市場にたくさんあるライセンス商品

他にも有名な事例ですと、アディダスをデサントが、クリスチャンディオールをカネボウが、同様にライセンス商品を販売していました。ファッションブランドのライセンス商法の始まりはディオールが百貨店に、自ブランドのパターン(型紙)の使用権を販売した事が始まりと言われています。アンダーウェアやサングラス、香水などの多くはライセンス商品ですから、皆さんも知らない間にライセンシー(実施権者)の商材を使っているかもしれませんね。

ライセンス商法は、自社でブランドを育てずに有名ブランドのネームを使えるというメリットがある反面、急にハシゴを外されブランドネームを使えなくなり、売上が急激に下がってしまうという怖さも孕んでいます。先述したバーバリー同様、デサントもアディダスのライセンスを失った時に倒産の憂き目にあったと言われています。FCもライセンスも、メリット・デメリットを理解した上で活用しないと恐ろしい自体を招くがケースがあります。

 

ブランドと言えば企画から生産・販売を垂直統合しているSPAがデフォルトである、と何となく勝手に思ってしまいそうですが、実は様々な流通方式があります。上手く活用すれば、ブランドのリスクを軽減する事も可能なので、これからブランド運営を考えている人は是非知っておいてほしいですね。(その逆もまた然りですが…。)

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