2019.12.25 COLUMN

2019年を総括!外せない“ファッション×web”5つのキーワード

by 深地雅也

こんにちは、深地です。

早いもので今年も残すところあと1週間程度になってしまいました。

1年を総括する時期という事もあり、ファッションメディアでは「2019年重大ニュース」と題して特集が組まれております。筆者も仕事柄、ファッションニュースに関してはヘビーウォッチャーなので、いくつかピックアップしてみようかと思うのですが、Style it.は「ファッションとITの相互理解」という存在なので、その中でも特に「ファッション×WEB 」関連のニュースにフォーカスしてご紹介できればと思います。

それでは早速スタート!

ZOZOに始まりZOZOに終わった1年

ヤフーがZOZO4000億円で買収 前澤社長は退任へ 人事M&A

良くも悪くも1年通してファッション業界を湧かせたZOZOTOWN。昨年末から今年の頭にかけて、大手ファッション関連企業の撤退ニュース(オンワード樫山・ライトオン・4℃・しまむらなど)から、1億円お年玉、ZOZO ARIGATOが巻き起こした騒動、そしてサービスの終了。極め付けはヤフーによる買収でしょうか。会社の売却自体、業界内には予想している人も多かったので、それほど意外性はありませんでしたが、売却先がヤフーというのは誰も想像していなかったように思います。前社長の前澤さんがTwitterで発言する度にちょっとした渦が巻き起こったりと、大物過ぎると一挙手一投足が注目されてしまうものですね。そんなスター経営者が不在になってしまい、センセーショナルな打ち手はもう見れなくなってくるのかなぁと寂しい気持ちもありますが、国内のファッション史に深く刻まれる存在だったのではないでしょうか。

 

②楽天の逆襲?

東京コレクションの冠スポンサーはAmazonから楽天に、正式契約に向けて協議

一時は「楽天離れ」というワードが飛び出したりと、出店者の儲けが少ない事で叩かれ気味だった楽天。ファッション業界でも「楽天はダサい」と言われがちで、とあるファッションブランドの会議では、ECに楽天ペイを導入するだけで「ブランドイメージが下がるのでは?」と懸念される事もあったようです。しかし、そんな楽天が今年、東京コレクションの冠スポンサーとして契約が決まった事は記憶に新しいのではないでしょうか。これで懸念されていた「ダサい」イメージから脱却!できるかどうかは不明ですが、ファッション分野を強化している事は明らかです。WWDの記事を見ると、楽天はファッションアイテムの売上だけで国内7500億円の流通総額があると推測されており、これはZOZOTOWNと比較すると倍以上の規模感です。楽天内に出店されている「楽天ファッション(旧楽天ブランドアベニュー)」には、国内の高感度ブランドが多数出品しており、売上を伸ばしている企業も多いようです。2020年は更なる楽天の逆襲が見れるかも?

 

③バーチャルインフルエンサーの本格運用

PUMA x SLY」が 話題のヴァーチャルモデル“imma”とコラボ

ファッションブランドがバーチャルインフルエンサーを本格的に運用し始めたのが見えた1年だったように思います。国内でその存在自体が観測され出したのは2018年中頃なのですが、ブランドとコラボしてプレスリリースされている事例は初だったのではないでしょうか。(immaSLY、葵プリズムはトヨタ・SPINNSとコラボしていますね。)バーチャルインフルエンサーの仮想事務所まで現れていますし、その運用はこれから加速していきそうです。効果が検証されるのは2020年になりそうですが、どの程度ブランドに影響したのか、結果が楽しみですね。

同じバーチャル系のファッションで言うと、先日も書きましたソーシャルゲームの事例もあります。

 

ZEPETがアパレルの競合に?加速するソシャゲの可能性

もう、どこからが現実でどこからが仮想なのかよくわからなくなってきました。世のおじさんたちはついていけるのか??

 

④既存アパレル企業のEC限定ブランド

D2Cブランドが雨後の筍のように発生しているファッション業界ですが、大手アパレルや百貨店までもが「EC限定ブランド」をどんどんリリースしています。

オンワード樫山 EC限定ブランドを始動へ、働く女性向けにセットアップ充実、百貨店品質を半値程度で

この流れ、大手セレクトではよく見られた動きなんですが、ここに来て百貨店アパレル(オンワード樫山・レナウン)や百貨店自体(三越伊勢丹)までもが始め出したのが印象的です。大手アパレルは自社ECモールを保有するところも多く、たくさんの会員を既に保有しています。そこに新しいブランドをリリースし、当たりを見て今後の動向を決めるというのは理にかなっています。また、作る方でも生産背景に強みを持つ大手は、質・量共に担保できる事もあり、大手ほど「EC限定ブランド」は向いているのではないかと。

デビュー初月売上3500万円、インフルエンサー中村麻美が手掛けるECブランド「カシェック」が好調

ジャパンイマジネーションでは、インフルエンサーを起用してのECブランドでスタートから大きな売上をあげる事に成功しています。自社に顧客リストを多く保有している企業ほど売りやすいでしょうし、こういった動きもどんどん増えてきそうです。

 

⑤採算性が懸念されるレンタルサービス

レンタルサービスは国内外にてサービスが乱立されている状況ですが、その採算性に関してはまだはっきりした事はわかっていません。というより、ほとんどのファッションレンタル事業者は赤字なのではないでしょうか。

ワールド、定額レンタルのラクサス・テクノロジーズを買収

ワールドは昨年に引き続き、今年もレンタルサービスを買収していますが、ラクサスは決算公告で確認する限りは赤字。ストライプインターナショナルが展開するレンタルサービス「メチャカリ」は会員数が2万人を突破したようですが、多額の宣伝広告費をかけている事からもトータルで見れば赤字。と、有名レンタルサービスはどこも採算性が悪い状況です。

 

ファッションレンタルのStyle Theoryがソフトバンク系ファンドなどから16億円調達

そんな中でも、レンタルサービスはまだまだ増えていく様相。海外に目を向けてもそれは同様ですね。目的は新規獲得やデータ収集もあるのでしょうか。国内ではエアクローゼットが上場準備中との報道もあり、採算性とは裏腹に盛り上がりを見せている状況です。


2019年を通して、気になったキーワードを5つピックアップしてみました。栄枯盛衰が激しいアパレルですが、楽天や一部の百貨店アパレルの巻き返しが見られた2019年は個人的に非常に面白い展開が見られた1年でした。ソーシャル上では一部のベンチャーが創業者の影響力もあって持て囃されたりする事が多いのですが、数値面でも確認するとやはり大手の強さが際立ちます。上記であげた以外にも、大手企業による新たなECモールも複数出店され、2020年も激動の予感…。アパレルの皆様、来年も大手に負けないよう共に頑張って参りましょう!

TAG

RELATED ARTICLES