2019.11.27 COLUMN

アメリカンイーグルも撤退。海外SPAが苦戦する日本のブランド市場

by 深地雅也

こんにちは、深地です。

先日のForever21の破綻に続き、今度は日本からアメリカンイーグルが撤退するようです。

 

「アメリカンイーグル」が12月末までに全33店を閉鎖 日本から撤退

グローバルSPA(※1)が日本で不振、または撤退する例は珍しくなく、過去には【OLD NAVY(オールドネイビー)】や【American Apparel(アメリカンアパレル)】【TOPSHOP(トップショップ)】が撤退、【ABERCROMBIE & FITCH(アバクロンビー&フィッチ)】も2020年に旗艦店を閉鎖予定と、上手くいっているケースの方が少ない印象があります。店舗を増やし続けているものの、【H&M(エイチアンドエム)】も業績をどんどん落としており、そのうち店舗を縮小してもおかしくないでしょう。悪い話が聞こえてこないのは【ZARA(ザラ)】くらい、と思いきや、そのZARAですら日本国内における営業利益率は3.6%程度(2016年の決算公告)。世界全体で見れば営業利益率が17%弱あるインディテックスですが、明らかに日本国内では利益率が低いのです。


Junko Nakase

この背景には、もちろん日本国内の競合ブランドの影響があります。特にユニクロを始め、これらのグローバルSPAより利益率の高い企業も少なからず存在しています。そこで本日は、日本国内の衣料品メインのブランドの利益率はどの程度なのか?グローバルSPAと競合しやすいブランドをピックアップしながらご紹介したいと思います。

 

ファーストリテイリング(ユニクロ・GU)

ファーストリテイリングの直近の決算を確認しますと、国内売上が8229億円に対し営業利益が1024億円。営業利益率が11.7%。GUは2387億円の売上に対し、営業利益が281億円と、こちらも営業利益率11.7%。売上、利益高共に国内で独走状態と言っていいでしょう。世界全体で見るとZARAを保有するインディテックスがまだ先を行っていますが、国内だけに目を向けるとユニクロの圧勝なのです。グローバルSPAからしたら、日本市場においてファーストリテイリングが一番の障壁になっているのではないでしょうか。

 

良品計画(無印良品)

衣料品メイン、と言ってしまうととちょっと違うのですが、競合として確実に影響を及ぼしているのが無印良品でしょう。海外展開ばかりが注目されていますが、国内でも売上が2462億円、営業利益が255億円、営業利益率10.3%と非常に高水準です。無印はライフスタイルブランドではありますが、H&Mも海外ではコスメや生活雑貨が店頭にありますし、ZARAも決算書ではZARA HOMEと合わせて数字を報告しているので、その境界線はどんどんと無くなってきているのかもしれません。

 

しまむら

近年、落ち目のしまむらですが、ファッションセンターしまむら単体で国内1400店舗あり、全体の売上では5650億円。営業利益率は下がってきているものの4.7%ありますので、まだZARAより利益率は高いのです。主に郊外ロードサイドでのシェアが中心ですが、グローバルSPAも郊外のSCに出店するケースが増えてきていますから、競合する部分も大いにあるかと思います。

 

アダストリア

最近、業績が上がったり下がったりのアダストリアですが、2019年の前半だけの数字では売上が1089億円、営業利益が71億円で営業利益率が6.5%(昨年通期では売上2226億円、営業利益72億円、営業利益率3.2%)。グローバルSPAと同じモールに出店する事も多い同社ですが、直近では高い利益率を叩き出しています。グローバルワークは200店舗以上、スタジオクリップやニコアンド、ローリーズファームも100店舗以上出店しており、ファッションビルやSCでも同社のブランドを見ない事が無いくらいに拡大しています。特にベイフローなんかはアメリカのブランドと顧客層も被りそうです。

 


 

日本が誇るSPAを4社ほどピックアップしてみましたが、どこの企業も売上規模から利益率から非常に高く、海外ブランドの勢力拡大を阻止しているように思います。もちろん、利益率だけでは判断できない事も多いでしょうし、グローバルSPAが拡大できない理由は複合的なので、他にも様々な理由はあるでしょう。しかし、日本国内は海外と比較しても多店舗展開しているブランド数がやけに多く、外資が参入しづらい環境にあるのではないかと思います。アパレル不況が叫ばれる中ではありますが、引き続き外資に負けない強い国内ブランドの成長を期待したいですね。

 

※1:SPA=製造小売業。卸売りをせず、自社製品を自前の小売店で販売する企業。

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