2019.11.25 INTERVIEW

新しい購買体験を。FACYとベイクルーズブランドに聞く“店舗×デジタル”

by STYLE it.編集部

【スタイラー株式会社】が提供する、ニューリテールプラットフォームサービス【FACY(フェイシー)】。FACYでは、アプリを通して全国各地のショップ店員がチャット形式でユーザーの相談内容にあわせた商品をおすすめしてくれます。

11月1日にオープンした【SHIBUYA SCRAMBLE SQUARE(シブヤスクランブルスクエア)】に【株式会社ベイクルーズ】が運営する【Le Dome ÉDIFICE et IÉNA(ル ドーム エディフィス エ イエナ)】が出店。店舗で展開する一部商品とFACYが連携し、新たなショッピング体験の提供を開始しました。

【取り組み内容】

EDIFICEの一部商品にFACYのQRコード付きの下げ札が付いており、FACYのアプリをダウンロードしたユーザーがQRコードを読み込むと、商品詳細やコーディネートに関する情報を閲覧することができます。そのままアプリ上で商品を購入し、後日自宅にて商品を受け取ることも可能。そのため、店内が混み合っていても商品について知ることができたり、自宅で手持ちのアイテムを見て再検討したりすることができます。

今回行なったスクランブルスクエアでの取り組みを受け、店舗×デジタルについてスタイラー株式会社の河村さんと、株式会社ベイクルーズのWEBヴィジュアルコーディネーターの宮本さんにお話を伺ってきました。

デジタルシフトする商業施設

─ FACYを導入されてみて、いかがですか?

宮本さん(以下敬称略):今までにないサービスなので、会社としては前向きに取り組んでいますね。最初は【JOURNAL STANDARD(ジャーナルスタンダード)】とEDIFICEに導入させていただいて、反応もよかったのでレディースブランドにも展開していこうということで、現在では他にも7〜8ブランドほどで利用させていただいています。

─ 今回スクランブルスクエアのオープンに合わせて導入された理由などありますか?

宮本:スクランブルスクエア自体が「世界最旬宣言」をヴィジョンに掲げていて、デジタルシフトしていく世の中の風潮に合わせてアパレルショップでも最新の体験ができることをコンセプトにしているんです。その時にちょうどFACYさんとの取り組みのお話があったので、EDIFICEでの導入を決めました。まずは、スクランブルスクエア店をモデル店舗・モデルケースにしようとしています。

─ 具体的にはどのようにQRコードを取り入れているんですか?

宮本:渋谷スクランブルスクエアのEDIFICEでは、ハンガーにQRコードが記載されたタグを取り付けています。スクランブルスクエアの隣にある渋谷ストリームの中にはIT企業なども入ってることもあり、スクランブルスクエアのEDIFICEでは渋谷で働く方々に向けてスマートなビジネスシーン、ビジネスカジュアルを提案しようというコンセプトを掲げています。そのため、ストレッチが効いていたり手軽に洗えたり、消臭・防臭効果があったりと、高温多湿な日本で働くビジネスマンに優しく人気の「ファンクションシリーズ」にQRコードを導入しています。ちょうど河村さんが着ているような…

河村さん(以下敬称略):ちなみにこれはEDIFICEです(笑)

宮本:ありがとうございます(笑)あまりシワを気にせずにラフに着られるので、カットソー1枚でノマド的に働く方に向けて作られたコレクションなんです。お客さまのニーズが高い商品に導入しているので、「これなんですか?」と興味を持ってもらう機会が多いですね。

─ お客さんとのコミュニケーションのきっかけにもなっているんですね。

店舗×デジタルの懸念点

─ ベイクルーズとしては、新しい技術などを取り入れていくことに対して前向きなんですか?

宮本:そうですね。アパレル企業の中でも、特にセレクト系の業態は最新技術を取り入れるのが遅いので、個人的にはどんどん推進していきたいと思っていますし、会社も受け入れてくれていて前向きな風潮になってきたのかなと思っています。

─ FACYアプリや、QRコードの導入によって購買体験や接客体験は今度どのように変わっていくと思いますか?

河村:FACYアプリでいうと、他のECサイトでは「コート 黒」と検索することが多いと思うのですが、服を探すときってただ黒いコートがほしい訳ではなく機能性だったり手持ちのインナーとの合わせやすさだったり、キーワード以外の要因があると思うんですよ。その要望にもお客様自身がTwitterのような感覚でほしいアイテムを呟くことができるので、聞きたい情報を補完することもできます。また、チャットでも対応してくれるので、「どういう生地感ですか?」「グレーのインナーに合いますか?」といった普段のオンライン購入では確認できないことも、FACYならプロの販売員に直接オンラインで確認できるので、自宅での購入体験が変わるのではないかと感じています。

─ 自宅からオンラインで購入するとなると、店舗の売上にはならないじゃないですか。その部分はベイクルーズとしてはどのように考えていらっしゃいますか?

宮本:現状ですとそこはやはり課題ですね…。店舗スタッフには個人売りの実績という評価軸があって、そこをモチベーションにしているスタッフも多いんですよ。店舗ではなく自宅からオンラインで購入となると、どのスタッフがきっかけで購入したのかというところまで現状のシステムでは追えないので難しいですね。ただ、社内でもそこを測れるようにしていこうという動きもあり、システム側の改修も検討しています。

─ そこはやっぱり時間がかかるんですね。

宮本:そうですね。どのチャネルで購入されてもお客さまにとっては関係なくて、現状、の段階でも、店舗のスタッフには“家に帰って悩めるツール”というものをいかにフラットに考えられるかを落とし込んでいるところです。

─ スタイラーとしてもそこが導入障壁になっているんじゃないかと思うのですがいかがですか?

河村:正直弊社としてはどの企業様に導入していただいてもデメリットがないサービスなので導入しやすいとは思います。ただEC側はブランドとしての売上を見ていて、ショップ店員さんは店舗単位での売上を見ますし、宮本さんが仰られたように、評価軸をどう一本化していくかが今後の課題だと感じています。

また、お店単体でいうと今後は世界観重視のブランドにおけるレギュレーションと販売効率の対立構造が大きくなっていくのではないかと思っていて。どちらが企業を成長させるために必要なのかはまだ業界的に実証されていないんですけど、ベイクルーズさんもECに飛べるストアを始めたり、“売上に繋がるはずだけど売上じゃない指標”を追うということは、各社課題としてあるのかなと感じています。そうなった時に、FACYとしてはユーザーとの接客データが溜まってくるので、販売手数料をいただく分で、売るための接客ではなくて次に繋がる接客はこういうものですよ、というデータを各ショップさんにどうやってお返しできるかをFACYとしても考えています。

これからの店舗×デジタル

─ FACYとして今後の展開はどのように考えていますか?

河村:今FACYはかなりECっぽい見え方になっているんですけど、今後は位置情報をつけて直接店舗に送客することをメインにしようを思っています。なので、チャットで会話したお客さまが店舗に来店してくださることで店舗での売上にも繋がっていき、隔たりのようなものはなくなるのかなと思っています。

宮本:弊社はとことんお店ありきの会社なので、デジタルの企画も結局お店のスタッフの接客における時間やお客さまに対するメリットやサービスに繋がるためのものという認識でないと、なかなか導入して、結果を出すまでは難しいかなと思っていて。ただ導入するにしてもお客さまに来ていただくために、エンタメ的な仕掛けだけを取り入れてもあまり意味がないと思っているので、FACYさんが位置情報を使って店舗への送客をしてくださるといのは弊社とすごく相性がいいんじゃないかと思います。今後はもっと多店舗展開や、二次元と三次元で包括的にユーザーを取り込んでいくことを考えています。

 

スタイラー株式会社:https://styler.link/

FACY:https://facy.jp/

株式会社ベイクルーズ:https://www.baycrews.co.jp/

 

プレスリリース元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000046.000015227.html


2019年11月1日にオープンした渋谷スクランブルスクエアの中には、EDIFICEのように新しいデジタル施策に挑戦しているブランドや、集英社がECサイトと融合したショップをオープンしたりと、世界最旬を掲げるだけあってこれまでなかったデジタル施策やアイディアが盛りだくさん。

今回取材したFACY×EDIFICEの取り組みだけでなく、企業・ブランドとして新しい購買体験をお客さまに提供していくことで、お客さまのリテラシーも上がり、店舗とデジタルが当たり前にいい影響を与え合うことができるようになるのではないでしょうか。渋谷PARCOもリニューアルオープンし、渋谷という街が2020年に向けてどう変化し、どんな価値を生み出していくのか楽しみです。

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