2019.08.08 INTERVIEW

Weare編集長が目指す、テクノロジー×ファッションのコミュニティづくり

by STYLE it.編集部

アパレル・IT業界で働く人々の働き方・想いを紹介していく連載「私のファッションスタイル」。第9回は、「衣服をつくりたい」という想いを実現するためのサポートをしてくれるサービス【sitateru(シタテル)】を運営している【シタテル株式会社】のオウンドメディア【Weare(ウィア)】の編集長を務める若尾真実さんにお話を伺ってきました。

─ 簡単に、sitateruについて教えてください

はじめは、服を作りたい人と作れる工場を繋げるサービスとしてスタートしましたが、現在はよりお客さんもサービス内容も幅も広がっていて、デザイナー、パタンナー、メーカーなど服を作るにあたって必要な要素を補完できるプラットフォームになっています。テクノロジーを使って効率よくマッチングさせながら、sitateruとして総合的にお客さまの衣服生産をサポートさせていただいています。

sitateru HP:https://sitateru.com/

きっかけはファッション業界に感じた違和感

─ この業界に興味を持ったきっかけを教えてください。

大学2年生のとき、フェアトレードに関するセミナーに行ってお話を聞いたときに自分でも何かできないかと思い、バングラデシュでエシカルなバッグを作りはじめました。ファストファッションが途上国の労働者を搾取しているという話が報道されていて“自分が着ている服が誰かの不幸の元に作られているかもしれない”ということに違和感を感じたこともきっかけの1つです。

当時はまだ「エシカル」というと、いわゆる意識高い系のイメージがあったので、女子大生が持てるような可愛いバッグが“実はエシカルな商品だった”というようなストーリーを組み込み、消費者が関心を持つきっかけとなる仕掛け作りをしてみたかったんです。メディアとして発信するだけでなく、購入するという行為を通して体験してもらいたくて。

そういった思いから、「楽しい」とか「可愛い」といったポジティブな感情から社会問題だったり世の中に対しておかしいと思うことを解決するきっかけづくりをしたくて新卒でPR会社に入社しました。

─ すごい行動力ですね…!なぜPR会社からsitateruに転職されたんですか?

PR会社では、伝えたいことと、世の中の人が関心を持っていることが同じではないからこそ、伝えるためには情報を編集する力が必要だということを学びました。いつかはその編集力を持って、またファッション業界の課題の解決に携われたらと思っていたのですが、社会人2年目で弊社CEOの河野と出会い、ファッション業界をシステムという形で変革しようとしている姿に共感してジョインすることにしました。

Weareが目指すのはコミュニティ

─ 編集長を務められている「Weare」はどういったメディアなんですか?

“テクノロジーとイマジネーションで「ひと」と「衣服」の新しい未来をつくるコミュニティプラットフォーム”というコンセプトを掲げていて、デザインやリエイティブテクノロジーのコラボレーションが起こりやすい環境づくりを目指しています。コミュニティプラットフォームという表現をしているのも、ある特定の分野の人が集まるだけの場というより、衣服にまつわる様々なテーマに関心がある方々が集まるプラットフォームにしたいんです。オシャレのためのファッションだけでなく、ワークウェアを作りたい方や服を使って新しいビジネスをしたい方など、多様なテーマの元に集まる人のハブになりたいですね。

─ 既にコミュニティとして機能されてるんですか?

現在約1000人の方にご登録いただいている会員制のコミュニティで、会員の方にクローズドイベントの案内をお送りしたり、メルマガの配信を行なっています。ファッション業界に限らずさまざまな職業の方にご登録いただいていて、比較的情報感度の高い方やファッションを軸になにかをしたいという思いがある方が多いので、今後はオープンとクローズドの部分をうまく使い分けながら、コミュニティ内でプロジェクトを立ち上げてみたいですね。

常に新しい方法を模索

─ 仕事をする上でのこだわりや特に意識されていることはありますか?

お互いが知らないだけで出会ってみたら新しいことが生まれることってあるじゃないですか。なので私は、業界の壁を溶かしたり、常識や固定概念を取り払うことをすごく意識していて、「メディアってこうだからこうしよう」という安易な考え方はしないようにしています。私たちが何をしたいのかを中心に据えた上で方法を考えていくので、過去事例などに囚われて思考停止にならないようにもしていますね。

─ 思考停止にならないために普段から行なっていることはありますか?

できるだけ質の高い情報を取れるように、情報のチャネルや人を意識して精査している部分はあります。常に多くの情報を収集するよりも、自分にとって実りのある情報が誰から教えてもらえるのか常に理解している状態の方がいいと思うんです。

例えば私が尊敬している方々は、「友達は少ないけどそれでいい。」というスタンスで、数は少なくても、信頼できて一緒にいて発見がある友達と一緒にいるんだと思うんですよね。排他的な考え方かもしれないんですけど、Weareも思想の近い人が集まった質の高いコミュニティにすることは会社にとっても大切だと思っています。未来に前向きな人たちが集まってくれて、sitateruというプラットフォームをいろんな立場から一緒に盛り上げてもらえるような場にしたいです。

世界を豊かにするためのテクノロジー

─ ファッションテックの分野において課題に感じている部分はありますか?

「サステナビリティ」や「テクノロジー」を取り入れなければ時代遅れだみたいな風潮が出てきていると思うんですけど、それが“やらなくちゃ”ではなく、もっと自分ごと化されていくといいのかなと。「こういう未来があると楽しいよね」とか「今こうなっていることをこんな風に変えられたらいいね」なんて会話ができたらいいし、できると思います。

─ 逆に、魅力に感じる部分は?

ものづくりの分野は新規参入におけるハードルが高くて、突然衣服を作りたいと思っても簡単には作れないですよね。でも、もしかするとその人やその会社にノウハウがないだけでセンスはあるかもしれない。そういう場合に、誰もがものづくりをできる環境を整えていくことは大事なことだと思っていて。そういった文脈で、世界を豊かにできるテクノロジーは素敵だと思います。

 

Weare:https://weare.sitateru.com/

sitateru HP:https://sitateru.com/


筆者も普段から読んでいる「Weare」の編集長が思う、メディアやコミュニティ・ファッションについてお話を聞くことができとても嬉しかったです。編集者として、常に発信方法や得るべき情報の精査を行なっている若尾さん。イベントではモデレーターなども務める彼女が作っていく質の高いコミュニティがとても楽しみです。

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