2019.07.10 INTERVIEW

変わらないために変わり続ける。健康的な消費を提案するD2Cブランドfoufou

by STYLE it.編集部

「健康的な消費のために」をコンセプト掲げたファッションブランド【foufou(フーフー)】をご存知でしょうか?デザイナーの高坂さん自ら運用しているTwitterやInstagramを中心にファンを集めているブランドです。

オンライン上での販売をメインとし、いわゆるD2C(=direct toconsumer)ブランドとして注目されているfoufouですが、商品についての発信をしたり試着会という形で直販売を行なったりと、他のブランドとは違ったアプローチを行なっています。今回は、デザイナーの高坂さんにブランド立ち上げの経緯から、ブランド運営について詳しくお話を伺ってきました。

服を買うことだけがファッションじゃない

- なぜfoufouを立ち上げようと思ったんですか?

元々服が好きで、クレジットカードの限度額ギリギリまで服にお金を使うような学生だったんですけど、就職活動の時にいざ蓋を開けてみると、僕には何も武器がなかったんですよね。高い服を着たり、いい車に乗ること以外にインターネットを使えば自己表現の方法がたくさんあるこの時代に、服だけにお金を使ったりしているなんてファッショナブルじゃない。色んな物にお金がかかることを前提に、ファッションブランドを作りたいと考えました。

ファストファッションの台頭によって、多くの人が気軽にオシャレを楽しめる世の中にななったんですけど、ファストファッションでは服が好きな人はドキドキしない、けど毎シーズン数十万円もする高品質なファッションには生活があるし、それこそ服以外に楽しいことばかりの時代で手が出せない。そんなファッションそのものを楽しみにくいと感じている人に向けた服をつくりたいなと思ったことがきっかけです。立ち上げの時にちょうど震災が起こって“消費は悪いこと”みたいな空気になっていたんですけど、僕はそうは思わなくて。「いかに物を捨てるか、ではなくていかにして好きな物に心地よく埋もれるか」でもいいんじゃないかなと。そこは消費に対する向き合い方や捉え方で変わると思うんですよ。コンセプトにも掲げているように、お客さんも含めて関わる人が健康的な消費を実現できる服屋をやりたいです。

お客さまに還元できる仕組みづくり

- なぜ試着会という形式を取っているんですか?

foufouは【株式会社ステイト・オブ・マインド】さんに協力してもらいながら運営しています。僕の上には株主の方がいるわけではないので、純粋にお客さまに還元できる環境なんですよ。要は、前年比超えを目標にしたりして無理にブランドを大きくする必要がないので、僕がどうしたいかも含めて、「お客さんが健康的な消費をするためにブランドはどうあるべきか」を優先的に考えられるんです。foufouはネットから始まったブランドなので地方のお客さまが多かったんですけど、その方々のおかげで生まれた資本で東京に店舗を出すとなると、地方のお客さまには全く還元できないじゃないですか。それは平等じゃないなと思って。だったら、その時間とお金を使って、地方で商品を着てもらえる仕組みを作ろうと思いました。

お客さんが購入に至るまでにはいろんな感情があると思うんですけど、EC販売では購入したデータが数字としてしか分からない。その数字を積み重ねていくだけではなく、いかにデータには出てこない「体験」をしてもらうかを重要にしています。試着会を開催することで、楽しみに来てくださったり、コミュニケーションを取ることで関係性も深まると思うんです。1日数百組限定の予約制にしているので、1人1人の反応をしっかり見れることも嬉しいですね。

- 試着会はお1人でやられてるんですか?

さすがに1人では難しいので、事前に地方の試着会に来てくださるお客さまの中からスタッフを集めて協力してもらっています。既に数回手伝ってくださっている方もいるので、たくさん開催するためにも、いずれは僕がいなくても運営できるようにしたいです。

試着会についての詳細はこちら↓

顔が見えなくても、人対人の関係

ー  SNSの使い方で意識されてることはありますか?

SNSに限った話ではないんですけど、普通のメーカーだったら、組織の意思決定をする役員やデザイナーとお客さんの間には何人もの人がいるのに対して、僕の場合はドアを開けたら目の前にお客さまがいるんです。なので別に特別何かしている訳ではなく、普通の人間関係だと思って接しています。目の前にいるからこそお客さんを蔑ろにするような意思決定は普通にできないし、送られてくるメッセージに対しても1人の人として普通に対応しています。

ー  プロダクトを発信するときは何を意識されてますか?

逆に間口を狭くしていて、「誰に売らないか」を考えています。インターネットって、間口を広げようと思ったらいくらでも広げられるんですよ。でも、そうすると購入してくださるお客さんがどういう感情を持って買ってくれているのか見えなくなってしまって、結果的にfoufouとして意思決定をする際の判断軸がなくふわっとしたまま売ることになっちゃうと思うんです。また、今いるお客さんを大切にするためには「意図せず」売れてしまうことはよくないんです、生意気ですが。なので、お客さんがインスタ→LINE@→note→商品購入ページといった流れで遷移するように導線を作っています。すごくめんどくさいと思うんですけど、あえてそうすることで、お客さんが何を考えて買ったかが分かるし、次に繋げられるんです。

作る意義がある服しか作らない

- 発表する新作は、どのような基準で作られてるんですか?

foufouでやる意義があるかどうかを判断軸にしています。foufouではカットソーやTシャツも出していなくて、なんでかっていうとユニクロや無印の商品でヘルシーだし、高品質な物はファクトリーブランドさんから浴びるほど出ている。今のところあえて僕が作る必要がないんですよ。少し前にデニムを出したんですけど、それも僕が作りたいデザインは世になかったし、コスト的にも合ったのでリリースしました。

あと、色展開も全然していなくて。お客さまに「この4色の中から選んでください」というよりも、「この商品はこの1色なんです」と提案した方が、刺さる人には刺さる。僕はカスタムやオーダー含め選ぶことが苦手なんです。服ならまだしも、料理や家具など、自分の専門外の物事であれば「プロ」のセンスに任せたいし、プロのセンスを浴びたい。だからコース料理が好きだし、音楽のアルバムを流れで聴くのが好きなんです。選択肢も指標も多い世の中で、選ぶのは難しいし、広すぎても迷わせるだけだなと思うんです。

- 赤が印象的なワンピースも販売してますよね。

毎年1着だけ夏に赤いワンピースを出しています。夏って、ちょっとノスタルジーな気持ちでドキドキしたくなるじゃないですか。そんな気分に相応な衣装があったらいいなと思って。綿で作っているので汗も染みるし重いんですけど、パキっとした形でフレアの広がりも綺麗で見栄えがいいので好評なんです。今回は【ザ・なつやすみバンド】さんにこのワンピースをイメージした曲も作ってもらいました。服を作って終わりではなくて、その奥にあるカルチャー全体を楽しむことがヘルシーなものに繋がるのではないかと思っています。

- 素敵ですね。今後の目標はありますか?

うーん。淡々と来月も続けることですかね。アパレル業界を云々みたいなことは全然なくて綺麗事はいくらでも言えちゃう。でも大事なのは来月もfoufouの商品を定価で売り切っていくこと。毎月工場に仕事を依頼し続けること。そのために今のお客さんやまだ出会ってないお客さんが生活の中で必要とする服を作ること。1番大切な中身の部分を変えずに続けるためには、多くのやるべきことや課題に向き合って、仕組みや環境を変え続けることが大切です。変わらないために変わり続けることが目標というか、引き続き頑張りたいことです。

 

Instagram:https://www.instagram.com/foufou_ha_fukuyasan/

Twitter:https://twitter.com/foufou_marl


SNSの存在によって、ブランドと消費者の距離がぐっと近くなった今。foufouのように、ファンとどのような関係性を築いていくかを考えることが重要なのかもしれません。ユーザーファーストはもちろんですが、譲らないところは譲らずに着実に続けていく。という、ブランドのスタンスを貫くことが熱量の高いファンを持つ秘訣なのだと感じました。

デザイナー・高坂さんのパーソナルな部分にフォーカスした記事も近日中に公開するので、お楽しみに。

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