2019.05.22 COLUMN

FARFETCHのリセールサービスは“買い替え需要”を促進させる?

by 深地雅也

こんにちは、深地です。

ファッション業界で売上を取ろうと思うと、どうしても考えなければならない事の一つが「買い替え需要」。半期に1回のコレクションを中心としたトレンドの変遷も、この買い替え需要を喚起するものと言っていいでしょう。新しいトレンドを作り出す事で、今流行しているものを陳腐化させ、新しいものに買い替える事を促進している訳です。そうなってくると、今度は不要になったファッション関連アイテムが出てきてしまうのですが、それに一役買うのがメルカリなどのリセールサービス。特に若者はお目当の商品を購入した後、Instagramなどで投稿したらすぐリセールに出品してしまうという行動も珍しくありません。

そんな中、ラグジュアリーECで破竹の勢いを見せる【FARFETCH(ファーフェッチ)】が新しくリセールサービスを開始しています。

英「ファーフェッチ」がリセール本格参入 高級バッグで試験運用

まだ日本では展開されていませんが、海外版のサイトが立ち上がっております。

FARFETCH Second Life

WWDの記事中には「商品を登録したら2日後にはサイト内で使用できるクレジットを受け取れる」とあり、物が手元に届いていないのにどうするんだろうか?と疑問に思いましたので、早速触ってみる事に。

 

手順としてはまず、

手持ちのブランド品を登録

サイト内で使える「クレジット」が2日後にお知らせされる

商品を発送する

受け取り確認から2日後にクレジットを獲得

といった流れですね。WWDの記事では「前払い」と記載がありましたので、画像登録しただけですぐクレジットが譲渡されると思っていましたが、さすがにそれは無いようです。

 

上記がブランドを登録する画面ですね。個人情報とどのブランドを登録するか?のスペースがあります。たまたま近くに自分の財布(バレンシアガ)があったのでブランドを「バレンシアガ」で登録しました。(プルダウンでブランドを選択するので、登録できないブランドもあります。)

 

そうすると、写真登録のところにバレンシアガのバッグが表示されました。これはめっちゃわかりやすいUIですね。どの部分の写真を撮ればいいかが一目瞭然です。ロゴやシリアルを撮影する場所もあり、真贋判定と商品の状態を確認した上で2日後にクレジットが算出されるという流れ。日数考えると普通に人間の目で判定しているのではと推測します。


ラグジュアリーECがリセールサイトを何故始めるのか?

ファーフェッチがこのような事業を始めるメリットですが、下記が挙げらるかと思います。

・新規客獲得

「バッグを売りたい」からファーフェッチを訪れるユーザーがいれば、これは新規顧客の獲得になります。商品を売ってもらえれば、普段からブランド品を購入しているユーザーの個人情報を獲得できますし、FARFETCHとも親和性が高いでしょう。メルマガ会員として、FARFETCHの新商品入荷情報なんかも今後送れたりする訳で、リセールの在庫獲得と新規ユーザー獲得で一石二鳥ですね。

・買い替え需要の促進

既存ユーザーの製品を買い取り、クレジットを付与する事で買い替え需要を獲得する事に繋がります。ユーズドの売上もプラスで増えますし、メインのサイトの売上アップも狙えます。

 

嗜好品ほどリセールとの相性が良い?

高級ブランドの販売元とリセール事業者が組む事例は実は以前にいくつか事例があります。

【ニーマンマーカス】、委託販売ECサイトと戦略的提携!三方良しより四方良しとなる?

ハイブランド専門リセールストア「リクロ」、百貨店に買い取り窓口を設置

上記のように、百貨店とリセール事業者が連携し、ユーザーの手持ちの商品を買い取る事で、百貨店は買い替え需要を刈り取り、リセール事業者は在庫を確保する事ができます。FARFETCHの件は、これを一社でやってしまおうという事でしょう。

高級ブランドのような、所謂「嗜好品」は究極は買わなくても生活に支障はありません。ですから、嗜好品ほど買い替え需要を喚起する必要があります。だからこそのリセールの展開でしょうし、これは非常に合理的な事業展開と言えそうです。Web上での真贋判定は国内でもコメ兵がAIを試験的に導入したりと、「リユーステック」というワードが使われつつありますが、FARFETCHのようなテック企業が参入する事によって、リユーステックは更に盛り上がりを見せそうです。

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