2019.04.09 FASHION

時代だってファッションだ。「h.(ピリオド)」で振り返る平成の31年間

by STYLE it.編集部

4月1日に新元号も発表され、平成も残り1ヶ月を切りました。平成という1つの時代が終わろうとしている今、平成生まれの若手クリエイターの3名が平成を切り取ったファッションブランド【h.(ピリオド)】をスタート。平成31年間を31の物語として表現したTシャツを展開しています。今回は、そんな「h.」を立ち上げた3名に、ブランドコンセプトやデザインに込めた思いなどたっぷりお話を伺ってきました。

平成生まれの若手クリエイター3名によるアパレルブランド「h.」

左から、栗林嶺さん / 田嶋優樹さん / 高真二さん

 

- まず、ブランドについて教えてください。

高さん(以下:高):平成の「h」と、終わりと始まりを表す「.」を組み合わせ、時代という意味があるPERIODを重ねて「h.」と書いて「ピリオド 」というブランド名にしました。平成を生きた人々の軌跡を31パターンの言葉と絵で表現し、Tシャツとして販売をしています。特徴としては、フロントのチェストロゴと、メインデザインのタグ。チェストロゴにはブランドロゴというより平成が終わるという意味を込めていて、メインデザインであるタグ部分を31パターンの絵で展開しています。

- なぜタグがメインデザインになっているんですか?

:僕は洋服が好きでよく買うんですけど、服や靴が汚かったり変わった柄だとしても、ハイブランドのタグさえあれば周りの見る目って変わるじゃないですか。だからこそ、ブランド名とタグを気にするならそこにデザインを入れてみようかなっていういたずら心から来ています(笑)。ブランド主義を否定するとか社会風刺的な意味はなくて、「それどこのブランドなの?」ってタグを見られた時に「絵じゃん!」みたいなコミュニケーションが取れたら面白いかなと思って。ブランド名やデザイナー名ではなく、グラフィックとコピーライティングに落とし込んだ“平成”という共通項を楽しんでもらいたいです。

タグにはもう1つこだわりがあって、「着方に正解はないよね」という意味も込めて、タグをペロっと上に出す“ペロ出し”ができるつくりになっています。被らないものを作りたいという思いもあったので、タグの位置にもこだわりつつこういったデザインにしました。

- タグのペロ出しは新しいですね!そもそもブランドを立ち上げたきっかけはなんだったんですか?

栗林さん(以下:栗林):自分たちである程度リスクを背負って、主体的に世の中と接点を持っていきたいと思ったのがこのチームを結成したきっかけですね。以前にもこのチームでポップアップ的にカフェを運営したり、プロダクトを作ったりと挑戦をしてきました。そういった中で、平成生まれだったら平成の終わりに何かしたいよねっていう純粋な気持ちから今回のプロダクトが始まっています。

絵もコピーも、意識しているのは“共感”

- 31パターンの絵とコピーを作る上で意識していることはなんですか?

:平成の各年に起きた代表的な出来事を、田嶋が描いた絵と栗林が考えたコピーとで抽象化しデザインに落とし込んでいて、恋や復興など1つ1つ異なったテーマで展開しています。共感されることに意味があるプロダクトだと思っているので、テーマとなるモチーフはわかりやすいものにしています。そこに合わせて、コピーも共感しやすい言葉を当ててくれてるんだよね?

栗林:そうだね。ただのキャッチコピーというより、各年にあった出来事や、そこで生まれたであろう人々の感情、昔の青春の記憶を呼び起こせるようなストーリーにしています。例えば、平成5年はレインボーブリッジがテーマなんですけど、デートスポットでもありロマンチックな場所なので恋を切り口にコピーを書きました。他には、震災があった翌年である平成24年にスカイツリーができたことを受けて、震災後にスカイツリーが立ったということは「空をみあげよう」という日本に対するメッセージだったんじゃないか。と考えたりしながら書きました。

田嶋さん(以下:田嶋):デザインの観点でいうと、比較的色の幅を広めに使うようにしています。理由としてはシンプルなんですけど、悲しい時はブルー、頑張ろうと思う時は赤、といったように感情と色って密接に繋がっていると思うんです。なので、幅広く色を使うことで、見てくれる人の感情やメンタリティにハマるように意識しています。

平成という時代をデザインしたプロダクト

- 共感がテーマの1つでもあるんですね。どんなブランドを目指しているんですか?

栗林:今、いろんなファッションが生まれて文化が進化していく中で、時代によって流行る洋服やスタイルがあると思うんですけど、僕らは記憶とか感情といった深いところに根ざしたアパレルブランドになれたらいいなと思っています。それは、普段から“共感”をテーマに仕事をしている広告代理店出身の僕らだからこそできることなんじゃないかと思います。

:僕らがモチーフとして捉えたのってスカイツリー・レインボーブリッジ・金環日食など色々あるんですけど、全て大前提は“平成”でしかなくて、形のない時代や時間を捉えてデザインに落としていくという作業をしているんですよね。

田嶋:逆に昭和の64年間を作ったプロダクトがあったとしたら、すごい見たいと思うんですよね。僕たちは平成を生きてきた人間だからこそ、鮮度の高い状態で平成を残せるし、過去を振り返るっていう視点から考えても、いいプロダクトなんじゃないかと思っています。

:きっと、令和10年くらいになって平成を振り返ろうとしたときに魅力が増すと思います。平成をモチーフにしたアイディア商品はたくさんあるけど、僕たちのような切り取り方をしたプロダクトはないんじゃないかな。

アパレル以外にも横展開できるブランドに

- 平成は終わりますが、今後も活動は続けていくんですか?

:このTシャツ×デザインという見せ方は31パターンで終えようとしているんですけど、横展開の1つとして4月末に展示会を開催します。元々人が集まる場に興味があってカフェの運営をしていたこともあって。今回は展示と相性のいい、絵とコピーがあるので、僕たち世代を中心に、同じ時代を生きたたくさんの人々が平成を振り返られる楽しい展示会ができるんじゃないかと思います。日本の文化としての“平成”をちゃんと伝えていくためにも、海外でも展示を通して日本を紹介したいですね。

栗林:もっというと、単純なアパレルではなくここから31本のショートフィルムができたらいいなって思うし、本や絵本にしてみても面白い。今はたまたまアパレルという形で表現してるけど、いろんな感情や記憶、時代を横展開できるブランドにしたいです。

そして、時代は「令和」へ

新元号が発表され、「h.」も平成31年の絵とコピーを公開。新しい時代「令和」を作り上げるのは、平成を生きてきた私たち。これからどんな時代にしていこう。

 

公式HP:http://h-period.jp/

Instagram:https://www.instagram.com/periodofficial/

ONLINE STORE:https://h-period.stores.jp/

2019年4月29日(月)・30日(火) 平成最後の二日間、PERIODの展示販売会を開催。詳細は公式HPにて掲載予定。

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