2019.04.05 INTERVIEW

元スタイリストが感じた、ファッション業界とIT業界のギャップ

by STYLE it.編集部

アパレル・IT業界で働く人々の働き方・想いを紹介していく連載「私のファッションスタイル」。第6回は、ファッション業界のニーズに応えるMDプラットフォームを提供している【アイエント株式会社】のサービス【STYLIA(スタイリア)】を担当されている泉山裕季子さんにインタビュー。ファッション業界ど真ん中で活躍をしていた彼女が、IT業界に飛び込んだ理由などを聞いてきました。

ファッションに関わる様々な仕事を経験

- 簡単な経歴を教えてください。

元々スタイリスト志望でアパレルの専門学校に通い、卒業後は知識や経験を身に付けるためにアパレルショップの販売員・プレスとして就職。現役のスタイリストさんにお声がけいただいたタイミングで、ファッション誌を中心にスタイリストとしての活動をはじめ、ファッション業界で働いていました。アイエントが新しいサービスSTYLIAを立ち上げるというタイミングでIT業界に飛び込み、今に至ります。

- 昔からファッションが好きだったんですか?

そうですね。何かきっかけがあったわけではなく、単純に洋服に興味があった気がします。洋服が好きなことに加えて、0からモノを作るというよりは1から掘り下げて広げていくことが得意だったので、スタイリストという職業に憧れていました。

- スタイリストさんってどんな風にお仕事をされるんですか?

媒体によって違うとは思うんですけど、私が活動していたファッション誌では、編集部が考えた企画を元に打ち合わせをしながら企画やテーマに合うブランドやアイテムをピックアップしてコーディネートを決めていきます。使用したいアイテムリースするために、電話などでアポをとり、借りにいくところから撮影・返却まで行います。

オンライン上でリースが完結するSTYLIA

https://stylia.korecow.jp/about/brand/

- 今ご担当されているSTYLIAというサービスについて教えてください。

STYLIAは、衣装を探すスタイリストやインフルエンサーの方に提供するオンライン上のショールームサービスです。衣装リースをしたいスタイリストと、衣装協力でPRをしたいブランドをオンライン上で繋ぎ、TVを中心に映画や雑誌など様々なメディアへアイテムをお貸出ししています。これまでスタイリストは各々のブランドやプレスに電話でアポを取ったり、ブランドのショールームに直接衣装を借りに行ってスタジオまで運んだりしていました。しかし、STYLIAを利用することで、オンライン上でリースを完結することが可能になります。アイエントでは、TVなどで芸能人が着用した洋服やアイテムに関する質問をできるコミュニティサイト「コレカウ 」を運営しているのですが、STYLIAはそのコミュニティサイトの情報を集めるツールとしても機能しているんです。

写真:表参道にあるプレスルーム「CHEST by STYLIA」

 

- では、今までのお仕事とはガラッと変わったんですね。ファッション業界からIT業界に変わって、ギャップはありましたか?

そうですね、ガラッと変わりました。アパレル業界は基本対人で、コミュニケーションがなにより大切で横の繋がりも大事にするんですよ。でも、IT業界だとオンライン上でコミュニケーションが完結してしまったり、基本数字で表現するところが冷たく感じてしまったんですよね。そこにギャップは感じていました。

- そのギャップはどのように埋めていったんですか?

なんですかね(笑)でも、アパレル業界が若干低迷していると言われる時代でも、ITを駆使していたり、新しいものを取り入れてる会社にはすごく共感をしていて。元々私もアナログな人間だったんですけど、ITの知識をうまく使うことでアパレル業界はまだまだ伸びる可能性があるんじゃないかって感じているので、そこは面白いなって思っています。アパレル業界を裏側から支えたいという思いもあります。

- 周りのファッション業界の方ともそういったお話をされるんですか?

結構熱い話をしますね(笑)。これからブランドを立ち上げる友達がいるんですけど、その子と「心地の良いものってなんだろうね」なんて話をしました。今は安い服を着ることへの恥ずかしさとか抵抗はないじゃないですか。なので、良いものに触れることが、特に若い人は少なくなっている気がします。もちろんそれは悪いことではないんだけれど、トレンドにも囚われない“心地いいもの“や“自分の好きなもの”って何だろう。とか、そういったモノを個人個人に落とせるような情報があればいいな、と思います。

- 今後、アパレル業界を変えていくための個人的な目標はありますか?

今の時代は情報がたくさん入ってくるので、自分の好みに合ったものを見つけるのも大変じゃないですか。昔よりトレンドの流れも速いですし、定着もしづらい。以前は雑誌が発信した情報を読者が追いかけるという構図だったのですが、今は一般の子含めインスタグラマーなど発信力のある子たちの情報をアパレル業界が逆に追いかけていたり、ブランドやメーカーが、Instagramで流行っているものを真似て作ったりしている現状が一部あることを悲しく感じます。

今後、個人の様々な趣味嗜好もアクセスデータや購入データからAiがもっと活用されると思います。かといって店舗がなくなることもありません。人と人との<関係>ってやっぱり大事で、アナログとデジタルが上手いバランスをとり、私が間に入った意味があったと思ってもらえるような、発信のお手伝いができればと思っています。

 

アイエント株式会社:http://ient.co.jp/


ファッション業界に長くいたからこそ、スピード感の違いなど多くのギャップを感じていた泉山さん。最近ではファッション業界からIT業界に転職する方も増えているので、こういったギャップが少しずつ埋まり、相乗効果が生まれるといいなと思います。STYLE it.でもそのお手伝いができるようにたくさんの声をお届けしていきます。

 

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