2019.03.13

イメージ形成が秀逸なシューズブランドに学ぶ、web上の世界観づくり

by 深地雅也

こんにちは、深地です。

ブランドビジネスのお手伝いを生業にしておりますと、よく「世界観」というワードが現場で飛び交います。前提として、ブランドは自分たちの発信する情報や製品を通して「どんなブランドなのか」という事を顧客に訴求しないといけません。ブランドアイデンティティを顧客に知ってもらう事こそが、他の製品と差別化する要素になるからです。だからこそブランドは、

・店頭

Webサイト

・ソーシャルメディア

・雑誌媒体

など、様々な顧客とのタッチポイント上で「ブランドらしさ」を表現しているのです。仕事上、普段からブランドのWebサイトをよくチェックしているのですが、やけに世界観の演出が上手いシューズブランドがいくつかありました。確かに服飾雑貨は、それ単体ではヴィジュアルを際立たせるのが難しいアイテムですから、ロケ設定を含めた世界観の演出は非常に大事です。今回はそんな、ブランドらしさをWeb上で上手く表現しているシューズブランドにフォーカスしてみました。

 

とにかくストーリー重視!時系列でブランドの歴史を紡ぐWebサイト

上記は【Roger Vivier(ロジェ・ヴィヴィエ)】というシューズブランドのWebサイト。「ブランドヒストリー」という項目をクリックしますと、

ブランドの創設から現在に至るまで、時系列で何が起こったのかを詳細に説明してくれています。ディオールがシューズ部門を設立した際のデザイナーとして起用されたという事や、

バルマンやサンローランなど、今でも有名なブランドにデザインを提供している事。

また、自ブランドのアイコンアイテムがいつ誕生したのかもここで確認する事ができます。これ、一通り読むのに15~20分程度ですが、これだけでブランドに対するロイヤリティが上がるのを感じます。

https://vimeo.com/26314641

こちらは、バレエシューズの【Repetto(レペット)】。キーヴィジュアルとこちらの動画だけで既に「バレエシューズ」というレペットのルーツがすぐ頭に入ってきます。

そして、ロジェヴィヴィエ同様こちらも時系列でのブランドヒストリー解説。どんな作品で誰が着用したのかという情報は、ビジネス的にどうやって売れていったのかというヒントにもなりそう。

生産拠点や製造方法についてや、

どういう経緯で製品が生まれたのか。

有名ブランドのコラボまで。

世界観だけでなく、ブランドビジネスとして参考になる情報も多く見られますので、ファッション業界関係者は必見ですね。

 

顧客に寄りそった情報がブランドらしさに繋がる

【PELLICO(ペリーコ)】は靴の工房からスタートしています。つまり、いわゆる「クラフツマンシップ」を大切にしているブランドです。

フィッティングへのこだわりが見て取れるような、サイズガイド・フィッティングガイドの充実ぶり。ストッキング着用時の諸注意や、どういう馴染ませ方が望ましいかという事まで網羅しています。この情報量がまさにブランドらしさを体現していると言えるでしょう。

【Churchs(チャーチ)】も小さな職人工房のブランドからスタートし、現在に至っています。こちらのサイトで重視されているのはリペアやお取り扱いについてですね。

上記はどんな製法で製造され、どんな手法でリペアするのかだけでページを作っています。

こちらは動画でお手入れ方法を解説してくれています。どちらかというとアフターサービスでのイメージが強いですが、それでも顧客に寄りそった手厚いサービスを提供しているという印象を受けます。

ロンドンの路面店では、店の外で靴を磨いている職人さんを見かけたりできますし、これだけでもブランドイメージが形成されやすいですね。

 

とにかく華やかで美しい!

【Manolo Blahnik(マノロ ブラニク)】は女性なら大体の方が既にご存知のシューズブランドでしょう。セレブの間でもとにかく人気の高いマノロの特徴は「装飾」「華やかさ」「美しさ」といったところでしょうか。

マウスオーバーしたところからカーソルを動かすと、花びらがこぼれおちるようなイメージがサイト内に現れ、ついついカーソルを左右に振って遊んでしまいたくなる仕様。

コレクションの説明はまるで商品のデザイン画を掲載したようなイラストで、これも見るものを飽きさせません。とにかく「華やか」というイメージがそのまま直感的に感じる事のできるWebサイトと言えるでしょう。

 

昔から、ブランドが提供するサービスでコンセプト・世界観を体現するのは重要なポイントでした。重厚な造りやゆったりした空間でお客様をおもてなしする店頭。マナーの行き届いた接客を実現する販売員。それらと同様に、Webもブランドを体現する一要素なのです。そして昨今、Web経由で来店されるお客様もどんどん増えてきています。オンラインショップで購入せずとも、ショップへ行く前にWebサイトを検索したり、その前にどんなブランドかを確認する為にInstagramのアカウントを確認したり…。Web上でブランドの世界観を演出する手段は様々ありますが、ここをしっかりするだけで差別化に繋がっていく事は上記のブランドを見れば明らかです。これからWebを強化しようというブランドさんは是非参考にしてみてはいかがでしょうか。