2019.02.27 COLUMN

アパレル志望必見!「業界に入る前に読んでおきたい書籍」5選

by 深地雅也

こんにちは、深地です。

ファッション専門講師などやっておりますと、普段からどうやって情報収集しているのか?と若者からよく聞かれます。その中でも特に「どんな本を読めばいいですか?」と聞かれる事が非常に多い。

最初にはっきり言っておきますと、本を読んだからって仕事が出来るようになる訳ではないのですが、仕事ができる人は大体読書家だったりします。本は、著者の経験とノウハウが凝縮されたものなので(自身の置かれている環境によりますが)、参考になるものもたくさんあります。

そんな訳で、本日は「ファッション業界に入る前に読んでおきたい」書籍を5本ほどピックアップしてお届け致します。

 

日本を代表するブランドのビジネスモデルの理解

「ユニクロ VS しまむら」

まずはこちら。日本を代表する2大アパレル企業なので、皆様既に名前はご存知でしょう。ある程度、汎用性のある本を選んだ方がいいと思ったのですが、実はこの2つの企業のビジネスモデルを理解しておくと、その後のアパレルの戦略も非常にわかりやすくなってくるのでピックアップしました。しまむらが採用している「多品種小ロット」、つまり1型あたりのアイテムの奥行きを持たず、すぐ売り切れるようにしておき、たくさんの品番を用意する手法は、ファストファッションを代表するビジネスモデルです。これに対してユニクロのビジネスモデルは、1型あたりの奥行きをたくさん積み、品番は少なくベーシックアイテム中心に展開するといった、とってもユニークであり、どこも真似できないような戦略を取っています。こういった内容の事も、対比でわかりやすく説明してくれますし、「何故売れているのか」がよく理解できます。業界にいても意外と知らない人が多いので、最低限この本に書いてある事を抑えておくだけでも違いが出てくるでしょう。

 

アパレルの勝ちパターンの理解

「人気店はバーゲンセールに頼らない」

売れているブランドの「勝ち方」にフォーカスした内容。先ほどの「ユニクロ VS しまむら」ともややかぶってくるところはありますが、より局所的に、より広い事例を用いて説明されています。主にSPAにフォーカスされていて、「ZARA」「H&M」「ローリーズファーム」「ユナイテッドアローズ」などの勝ちパターンを細かく解説。普段、何気なく立ち寄るショップでは、実は様々な企業努力がなされているという事を痛感します。ここまで抑えておくとNewsPicksでちょっとだけ偉そうにコメントできるようになります(笑)

 

ラグジュアリーブランドの戦略を理解


「堕落する高級ブランド」

ラグジュアリーブランドが一体どうやって始まったのか、そしてどういう経緯を経て今の形になったのか。更には、どういった手法で利益を上げているのかが、タイトルからもわかる通りややネガティブな視点で解説されています。ファッション業界の裏側の一端を知るための本としては最適かもしれませんが、読んだ後に業界に夢や希望は持てなくなる人もいるかも?世界最大のラグジュアリーコングロマリット・LVMH(モエヘネシー・ルイヴィトン)の会長であるベルナール・アルノー氏を嫌いになること請け合いです。

 

業界全体の状況の理解

「誰がアパレルを殺すのか」

国内アパレルは現在、市場規模が減少の一途を辿る、いわゆる「斜陽産業」ですが、何故そうなっていったのかが解説された書籍です。筆者はアラフォー世代ですが、それでも知らないような過去の事情も記載がありますので、もっと若い世代の方からすると、有難い情報が多いのでは無いでしょうか。あまりこういった、国内のネガティブな状況を明るみにした内容のものは無かったので(個人ブログ程度ならいくつかあるのですが)、発刊された当初はニュースメディアでも話題になった一冊です。

 

スタイルへの理解

「ストリート・トラッド」

これは持論なのですが、ファッション業界で全ての職種に必要だと思う技術が「スタイリング」です。デザイナーでもスタイリストでも、販売員でもMDでも、日々の業務でスタイリングが出てきます。大まかなトレンドの変遷などは「100年史」と題した本を読めば把握はできるのですが、ストリートから派生したスタイルとその背景について書かれたものって新鮮です。「最近の若者はファッションのバックグラウンドを知らない」とファッション業界人みたく揶揄するつもりは無いのですが、知っておくとより記憶に刻まれやすく、そしてファッションが楽しくなると思うのです。「ストリート」と聞くと、スケータースタイルのような、ルーズな格好を想像する人も多くいらっしゃる事でしょうけど、広義で「ストリートファッション」とはストリートから派生したファッションの総称なので、これを機に、幅広いストリートファッションへの理解を深めるのもいいかもしれません。余談ですが、イラストを担当している漫画家の矢沢あいさんの作品はファッション関連のものが多いので、合わせて読んでも面白いかも。

 

これで知識面はある程度カバーできるかとは思いますが、ファッション業界のややこしいところはここに「デザイン」や「感性」といった曖昧な要素が含まれてくるところです。こればっかりは書籍を読み漁ったところでどうにもなりません。なので、合わせて情報収集するなら「現場を定期的に見る」事をオススメしております。結局、今何が売れているか?や、これから何が流行りそう?という問いに対しては、マーケットをよく観察するしか無いのです。その事前情報として、今回ご紹介した書籍がお役に立てれば幸いですね。

TAG

RELATED ARTICLES