2019.02.13 COLUMN

拡大を続けるECモールが大切にしていることは、○○でした

by 深地雅也

こんにちは、深地です。

ここ数日、毎日のように【ZOZOTOWN(ゾゾタウン)】に湧くファッション業界。もはや「ZOZO」の文字を見ない日が無いくらいですよね。前澤社長がTwitterをやめるだとか、ZOZOの手数料が高いだとか、ZOZOARIGATOがブランド側にとってデメリットが大きいだとか、と力を持ったプラットフォーマーなので致し方ない事もあるかと思います。

日本でファッションECモールと言えばZOZOTOWNが一強状態で、次いで【マガシーク】や【SHOPLIST(ショップリスト)】、【ロコンド】などが追随しています。ファッションECモールというカテゴライズで無ければAmazonや楽天なんかも入ってくるのでしょうが、インターネットの特性上、強者が更に勢力を伸ばしていきやすい。(近々で見るとZOZOPB事業にて減益、Amazonは日本でもぐんぐん勢力を拡大していますが。)

それは世界に目を向けても同様で、巨大なプラットフォーマーの成長は目覚ましく、規模の勝負になりがちです。そんな中、面白い手法で拡大しているECプラットフォーマーが勢力を伸ばしているのでご紹介したいと思います。

E-commerce startup Zilingo raises $226M to digitize Asias fashion supply chain

Zilingo Singapore

上記は東南アジアを中心に展開している【Zilingo(ジリンゴ)】というECサイトです。2億2,600万ドル(約249億円)の資金調達をしたとの事で話題になっているようです。

 

 

こちら、パッと見た感じはどこにでもありそうなECサイトで、ナイキやアディダスのような有名ブランドも出品されています。一見、何が強みかよくわからないのですが、実は見えやすいところに強みがある訳ではありません。

 

 

強みはサプライチェーン?

サプライチェーンという言葉を聞いたことはありますでしょうか?意味としては、原材料・部品の調達から、製造、在庫管理、販売、配送までの製品の全体的な流れのことを指します。ざっくり言いますと「商品が供給されるまでの流れ」の事ですね。「Zilingo(ジリンゴ)」が面白いのは、このサプライチェーンのネットワークを自前で構築しているところです。製造から物流、そして決済に到るまで網羅しているのだから驚くばかりです。そして、それを小規模事業者に提供する事で、出店ブランドを増やしているのです。出店側からすると、製造から物流・決済までサポートしてもらえるから、様々な面でメリットが出てきます。何せ、ECで物を売る為の全ての機能を担保してくれるのにも関わらず、自分たちのブランドとして販売していい訳ですから。そしてこういった小規模事業者を取り込む事によって、その他のモールでは出品されていないような商品もたくさん並ぶという事です。

 

 

独自性を担保する事により拡大するプラットフォーム

ユナイテッドアローズの出店を起爆剤としてZOZOTOWNが拡大していったという話は有名ですが、本来であれば、有名ブランドやSKU数が多いブランドが出品する方がECモールとしてはメリットが大きい。なぜなら、そのキーワードで検索する人が多い上に、検索でヒットするアイテム数も増えるからです。だからこそ、巨大プラットフォーマーが更に勢力を伸ばす訳なのですが、ジリンゴの施策はそれの逆張りの戦略と言えます。しかし、その結果独自性が担保され、唯一無二のモールになる。ユーザーが買い物に来る理由ができ、トラフィックが上がれば有名ブランドも出店してくれるというサイクルが出来そうです。また、モール自体がプライベートブランドを製造する事も容易になるので、独自性は更に強くなります。昨今、流行りのインフルエンサーブランドなどは、集客には自信があってもその他の機能で困る事も多いでしょうから、うってつけのプラットフォームと言えそうです。

 

出店者に優しいプラットフォームとしての拡大

日本のファッションECモールの歴史を紐解いてみると、楽天や今のZOZOTOWNのように、とてもじゃないですが出店側に優しい仕組みになっているとは言い難いものが目立ちます。その結果、ブランドの離脱を招く事もしばしばあります。プラットフォームが拡大していけば、どうしてもブランドとのパワーバランスが崩れてしまい、モールの言いなりにならないといけないケースは出てきてしまうかもしれません。

ジリンゴが今後、どのような展開を見せていくかはまだわかりませんが、現時点では出店している事業者が、他社のプラットフォームに出品する事も認めています。製造を担保しているにも関わらず、このような動きができるジリンゴが、出店者に優しいプラットフォームとして拡大してくれる事を、期待を膨らませながら見守りたいと思います。

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