今年の11月末、ファッション業界は「ブラックフライデー」なるイベントをどこも盛大にプッシュしていました。
※ブラックフライデーとは…アメリカの感謝祭で11月の第4木曜日の翌日の金曜日のこと。 この時期にアメリカでは盛大にセールが催されております。
日本でも最近、ブラックフライデーに乗っかってどのショップもセールばかり。LINE@の通知が「ブラックフライデー」で埋まる中、一際異彩を放つセール告知がこちら…。
「家でゴロゴロしていて何が悪い割」
これ新しいな(笑) pic.twitter.com/p6lfgIkHDd
— 深地雅也 (@fukaji38) November 23, 2018
「家でゴロゴロしていて何が悪い割」
とりあえずクリックしてしまいましたし、その後記憶に刻まれました(笑)こちらのショップは【haco!(ハコ)】というECサイトで、レディースの商品しか売ってないのですが、以前よりその運営の上手さに注目していて定期的に覗いておりました。ブラックフライデーの訴求の仕方からして差別化している…。こちらのサイト、一番の売りは何と言ってもサイト内コンテンツ。つまり、コーディネート提案や商品紹介の記事ですね。これがとにかく秀逸なんです。
コンテンツマーケティングで成功事例ってめっちゃ少ない!
マスマーケティングが機能しづらくなってきた昨今、救世主のように言われているのが「コンテンツマーケティング」という集客手法。サイト内コンテンツを高い更新頻度で実行し、集客するのですが、実際にこの手法で成功しているECサイトって本当に少ないんです。特にレディース向けのマーケティングが難しい中、それを上手く実現しているのがこちらのhaco!なんです。ではどこが上手く活用されているのか、詳しく見ていきましょう!
hacoのここがすごい①「メディア機能」
サブドメイン(https://continew.haco.jp/)で運用されている「CONTINEW haco!」にコンテンツが盛り込まれていて、オウンドメディアとして機能しています。
「 TV 」毎朝まっさらな気持ちで目覚めて、一日をめいっぱい楽しむこと。
「 LABO 」誰かと一緒に「こうなったらいいな」を形にしていくこと。
「 PROJECT 」とびきり素敵な未来の設計図を描くプロジェクトを進めていくこと。の3つを進めていきます。
と題して、コンテンツの方向性が決められている模様。
それぞれの一覧から、各テーマごとに振り分けられたコンテンツがあるのですが、そこからまた更に下の階層まで広がっています。「 TV 」を一つ例に出すと「TV」という大きなテーマがあり、そこから「haco!放送局」という”中テーマ”があって、「まだいけるんちゃうか」「いゆまるののうてんき予報」などなど、”小テーマ”(放送局の番組という位置付け?)があり、コンテンツが随時更新されていくといった感じです。しかもこの”中テーマ”も複数ある…。とんでもない量ですが、これくらいやらないと上手くいかないという事でしょう。物量作戦はおわかり頂けたかと思いますので、次は中身を見てみましょう。
hacoのここがすごい②「手書きの文字が目に留まりやすい!」
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コーディネート解説が画像と共に手書きの文字で書かれているのですが、スクロールしていても目に留まりやすい。これどこかで見た事あるなぁと思ったんですが、雑誌【mer(メル)】の世界観と似ています。ターゲットが明確だし、こういうのって若い女性に受けが良さそうです。
→上記のように、コーディネートをひとまとめにして特集ページにしていたりと、コンテンツの有効活用も上手にやっていますね。
hacoのここがすごい③「ワードセンスが素晴らしい!」
\11/16UP NEW ARRIVAL /新商品今週の気持ち
上記の特集ページにもちょこちょこ出てくる「今っぽ感」「サマ見え」などのワードセンスが面白い。おじさんの僕でもぎりぎり何となく理解できるレベルです(笑)こういうのもターゲットユーザーの共感を呼ぶ一つの要因ではないでしょうか。
hacoのここがすごい④「情報の切り取り方が女性のインサイトをついている!」
「#おしゃれを忘れがちになる寒さに要注意」や「#暖冬とは言えど寒いものは寒い」などなど、ハッシュタグで切り取られた情報の切り口が具体的。弊社の若手女性社員にヒアリングしても「わかる!」の一言。ユーザーの顔を思い浮かべながら考えてるのでは?っていうくらい具体的なシーンや用途が出てきます。
上記のように「ニットワンピの着丈調査」なんかは、訴求の仕方もとっても実用的です。顧客視点を貫こうという姿勢を感じます。
とにかくだらだらずっと見てられる!
トップページから縦長に情報が羅列されています。そして1記事の情報量も半端ない…。また、ファッションとは違ったところではフリーランス編集者のコラムは単純に読み物として面白い。調査してますと、「全然読み切れる気がしない…。」て思っちゃうんですが、男目線だと、あらかじめどれくらいの情報量なのかはわかっておきたいもの。しかしこれが女性だと「だらだらと見ていたい」というインサイトがあるんではないかと。
コンテンツ量がユーザーの可処分時間を獲得し、結果ユーザーのエンゲージメントを高める。haco!のこの「とにかくコンテンツ量が多い!」という戦略は、ユーザーが離脱しにくかったり、また再訪率を上げる効果がありそうです。ただ、問題はこれらを継続してやり続ける事がいかに大変かという事です。コンテンツマーケティングの一番難しい点はこの「コンテンツの量と質」をいかに担保するかにかかっています。弊社でもクライアントにhaco!の事例をベンチマークしてお手本にするよう伝える事もありますが、「ここまでできない」と言われる事もしばしば。言うは易し行うは難し…。コンテンツマーケティングを成功に導きたければ、ぜひhaco!の事例を参考にしてみてはいかがでしょうか。